新人介護士に多いのが、自分の思う通りに利用者が動いてくれないという悩みです。こうすればいいのでは、今日は運動をしてみよう、と語りかけても、その通りに動いてくれるとは限りません。
また、新人介護士ほど、利用者が言うことを聞かないのは単なるわがままだと感じてしまいがちですが、多くの場合そうではありません。本人の身体の機能が衰えていて動けなかったり、精神的に疲弊していて動く気力が湧かないことが原因だったりします。このような高齢者にかかる負担を甘く見てしまうと、後々大変なことに繋がりかねません。
理想を抱いて介護の道を選んだ新人介護士が、いきなりこうした現実に直面して悩むケースは少なくありません。心身がデリケートな利用者と接するのは、慎重性も大切です。高齢者は、難なく体が動く状況とはまるで違うため、より相手のことを考える必要があるのです。
また、新人として介護現場に出ると、自分なりに考えたプランを同じ介護士に却下されるようなこともあるでしょう。同じ介護士になぜ拒否されることに疑問を抱く介護士もいるかもしれませんが、先輩介護士の方が予測能力が高いことは紛れもない事実です。
特に長い期間同じ施設に勤めている介護士の場合は、入居者の性質を深く理解しているだけでなく、利用者への接し方も肌感覚でわかっていたりするものです。そんなベテランでもない新人が、いきなり自分流で進めようと思っても、そううまくいくものではありません。一人だけで頑張ろうとするのではなく、積極的に先輩介護士に相談を仰ぐようにしましょう。
何が良いのか悪いのか、なにがわからないのかもよくわからない新人が、一人で悩みを乗り越えるのは不可能です。壁に当たった時は一人で抱え込まず、信頼できる先輩介護士に相談することが大切です。